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乗るならラストチャンス! 初代MR2を手に入れるなら急げ!
2016/04/09
夢にまで見たミッドシップの走りが味わえた希有なモデル
1970年代に湧き起こったスーパーカーブーム。当時まだ運転免許を持っていなかった人は、スーパーカー消しゴムやプラモデル、スーパーカーが描かれた王冠集めに夢中になり、近所でスーパーカーショーが開かれれば、親に泣きついて連れて行ってもらったことでしょう。
フェラーリやランボルギーニ、ポルシェ、ロータス……。好きなブランドの派閥までできたこの現象ですが、一方で派閥を超えてすべてのスーパーカーファンが夢中になったキーワードが存在しました。「300km/h」「V12」「リトラクタブルヘッドライト」「ガルウイング」などです。
そんなキーワードの一つに、「ミッドシップ」があります。フェラーリやランボルギーニ、ロータスなどが採用したエンジンを運転席の後方に配置するこの方式は、ポルシェのRRとともに大きな憧れの対象となっていました。しかし、
「いったいどんな走りなのだろう」
たとえそう思っても、一般庶民には知る術がありません。なぜなら手の届く日本車には、ミッドシップレイアウトのモデルなど存在しなかったのですから。
ところが1984年。スーパーカー世代にとって夢のような車が登場しました。初代トヨタ MR2(AW11型)です。憧れ続けたミッドシップエンジン/リアドライブで走る国産マシンが目の前に現れた衝撃はすさまじいものでした。V12じゃなくても、ガルウイングじゃなくても、ましてや300km/hとは程遠い最高スピードでも、ミッドシップというだけでスーパーカーファンは飛びついたのです。
車名のMR2は「ミッドシップ・ランナバウト2シーター」(ミッドシップの小型2シータースポーツカー)の略。いわゆるカタカナ言葉の車名が多い中で、この記号性もスーパーカー世代の心をつかんだ材料の一つだったと思います。
MR2は1983年にデビューしたE80型カローラ(FF車)をベースに誕生。つまり生い立ちはスーパーカーというよりも、1970年代にデビューしたフィアット X1/9に近いものになります(直線的なデザインもX1/9に似ていますね)。フロントボンネット内にエンジンがない分、ノーズを思い切り低くしたスタイルはこれまでの国産スポーツにない斬新なものでした。
走りはトリッキー。だからこそ抑え込むのが快感だった
直線的なラインをX1/9に似ていると評しましたが、MR2は当時、“和製フェラーリ”とも呼ばれるほど魅力的なスタイリングを誇ったモデルです。ボディサイド右側にあるエアインテークのフィンや、リアのボンネット上に開けられた排熱用の穴など、否が応でもミッドシップであることを意識させるデザインは今見てもグッとくるという人も多いでしょう。
搭載エンジンは1.6Lと1.5L。もちろん人気は1.6Lモデルでした。そして1986年8月のマイナーチェンジで、1.6Lエンジンにスーパーチャージャーを搭載した1.6Gスーパーチャージャー/1.6Gリミテッドスーパーチャージャーというグレードが追加されます。最高出力は145psにまで高められました。
MR2は走りがトリッキーだったことでも有名です。リアがフロントに比べて重たく、また現代のように電子制御が入っているわけでもないので、オーバースピードでコーナーに突っ込み、慌ててブレーキを踏むと突然スピン……。だからこそ走り好きの若者は、この車を操れればそれを誇りに思い、快感を味わっていたに違いありません。
残るは約20台。乗るならラストチャンス!
デビューから30年以上経過し、現在カーセンサーnetに掲載されている中古車は21台、中古車本体価格は約40万円からとなっています(ともに4月7日時点のカーセンサーnetを参照)。今後も増えることはまずないでしょう。ほとんどが走行10万km以上で、修復歴ありの比率もかなり高めです。それでもかつて憧れたモデルを手にしたい。そう考えるなら今が本当の意味でラストチャンスです。
流通しているのは後期型が圧倒的に多く、当時多くの人が飛びついたスーパーチャージャー搭載モデルもまだ見つかります。あの頃の思いを、今こそ形にしてみませんか?
【SPECIFICATIONS】
■グレード:1.6Gリミテッド スーパーチャージャー
■乗車定員:2名 ■エンジン種類:直4DOHCスーパーチャージャー
■総排気量:1587cc ■最高出力:145ps/6400rpm
■最大トルク:19.0kg-m/4400rpm ■駆動方式:MR
■トランスミッション:5MT ■全長×全幅×全高:3950mm×1665mm×1250mm
■ホイールベース:2320mm
【関連リンク】
photo/トヨタ自動車
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