トヨタ ライズ▲従来のCVTとは違い、ベルトとギアで駆動するD-CVTにより、低速域でのスムーズな加速と、高速域での低燃費で静かな走りを実現したライズ

新車の香りが残っていそうな、走行距離1万km以下がなんと8割!

トヨタのコンパクトSUV、ライズ。ダイハツ ロッキーのトヨタ専売モデルで、生産はダイハツが担当している。

全長4m以下の5ナンバーサイズのため、狭い道でも運転しやすく、その割にラゲージ容量はクラストップレベルの369Lもあり、買い物はもちろん、人気のキャンプ需要にも十分応えられる、使い勝手のいいSUVだ。

2019年11月のデビュー以来、大ヒットを続けていたが、受注増に加えて新型コロナウイルス感染拡大による生産の遅れが重なり、現在の納車時期はもはや目安時期を示すこともできず、公式HPを見ても「販売店にお問い合わせを」になってしまっている。

一方で、中古車の方はどうかというと、実は順調に掲載台数が増えており、直近10月の延べ掲載台数は1500台に迫る勢いとなっている。しかも走行距離1万km以下の物件が、なんと8割もある。

そんな、新車の香りがまだ残っていそうな中古車。新車を検討していた人も一見の価値があるはずだ!

以下、詳細を見ていこう。
 

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トヨタ ライズ×全国

最上級グレードの良コンディション車が大半を占める

デビューしてから順調に増えてきた中古車の台数だが、今年に入って一時減少し、1000台前半になったこともあった。しかし、6月以降は持ち直し、10月の時点では1500台近くにまで増加。
 

トヨタ ライズの掲載台数推移グラフ

一方で、本来台数が増えれば中古車価格は下がるのだが、中古車の平均価格は今年5月あたりからじわりと上昇を続け、10月にはついに1年ぶりに200万円を突破した。

価格上昇の理由は、新車の供給が滞っているため、中古車を求める人が増えたことがまずひとつあげられる。

加えて、現在流通している中古車を見ると、走行距離が1万km以下の比較的良コンディションが期待できる物件が全体の約8割と多いこともある。しかも登録済未使用車、つまり登録はしたもののほとんど乗られていない中古車も約2割を占めている。
 

トヨタ ライズの平均価格推移グラフ

さらに、ライズのグレード構成は価格の安い順にX、X S、G、Zとなるが、最上級グレードのZが約7割と圧倒的に多いことも、平均価格を上昇させている理由のひとつだろう。

新車と違い、中古車ではメーカーオプションを追加できないことや、ボディカラーを指定できないというデメリットがある。しかし、備わっている装備で十分満足できる人や、好きなボディカラーを見つけられた人なら、新車の納車を待つより走行距離の少ない良コンディションの中古車を選んで正解ではないだろうか。

以降は、改めてライズがどんな車だったのか、詳細を見てみよう。
 

コンパクトながらラゲージが大きく、安全装備も充実している

トヨタライズ▲4WDは通常は前輪を駆動させ、発進時や滑りやすい路面での走行時に、状況に合わせて後輪にトルクを配分する「ダイナミックトルクコントロール4WD」が採用されている

全長3995mm、最小回転半径5mと小回りの利くコンパクトSUV、ライズ。デビュー時に用意されたエンジンは1Lターボ。これに高効率に駆動力を伝えられるD-CVTが組み合わせられ、1.5L車なみの動力性能を発揮する。
 

トヨタ ライズ▲ボディカラーは白、黒、シルバー、レッド、ベージュ(写真)、イエロー、ネイビー、ブルーの8色。最上級グレードのZは白・シルバー・ブルーの3色に、ルーフのみブラックとなるツートーンも選べる
トヨタ ライズ▲メーターはXとX Sはオプティトロンメーター、GとZは液晶ディスプレイ。また、GとZはシートが写真のようにパイピング加工されている。4WD全車と、Zは2WD車でも前席にシートヒーターが標準で備わる
トヨタ ライズ▲全車ラゲージに2段デッキボードを装備。写真は下段に備えた場合で、上段に備えるとデッキボード下をサブトランクとして利用できる。デッキボードを取り外すと背の高い荷物も載せられる

先進安全運転支援機能も充実しており、最廉価グレードのX以外には「スマートアシスト」が備わる。これには、衝突被害軽減ブレーキや前後誤発進抑制機能、車線逸脱抑制機能、先行車発進お知らせ機能などが含まれている。また、最上級グレードのZには全車速追従機能付きACCやレーンキープアシスト機能も備わる。

なお、2021年11月の一部改良でスマートアシストに夜間の歩行者検知機能が備わった他、全車に電動パーキングブレーキが採用され、それに伴い全車に全車速追従機能付きACCやレーンキープアシスト機能が備えられている。

一方、全車にオプションで用意された主な機能は、バックカメラ付きナビゲーション機能やディスプレイオーディオ機能だ。ただしディーラーオプションで用意されているナビやオーディオなどを装備することができ、USBやBluetoothなどで接続すればスマートフォンの音楽を聴くことも可能。

デビュー時の車両本体価格は167万9000~228万2200円だった。
 

最上級グレードでも新車時より安い価格で狙えておトク感がある

先述のとおり、最も多いグレードは約7割を占める最上級グレードのZ。台数が多い分選びやすく、装備も充実しているので、やはりこのZがオススメだ。

2WD:4WDの割合は約9:1と差があるが、雪国でなければ2WDで十分ではないだろうか。なお、2WDでも寒冷地仕様がオプション設定されており、台数は少ないものの見つけることができる。

オプションとなっている「バックカメラ付きナビゲーション機能」や「ディスプレイオーディオ機能」を備えている中古車も多い。特にディスプレイオーディオは、スマートフォンのナビアプリを表示してディスプレイ上で操作できるのでオススメだ。

ちなみに、同機能が備わるパッケージオプション名は「ディスプレイオーディオパッケージ」「パノラミックビューパッケージ(Zにのみ設定)」「スマートパノラマパーキングパッケージ(Zにのみ設定)」となる。

Zの中古車の価格帯は支払総額で約170万~320万円となるが、250万円超はたいていエアロパーツなどを装備した中古車で、ほとんどが支払総額250万円以下で狙える。

また先述のとおり、走行距離1万km以下が多く、登録済未使用車でディスプレイオーディオ機能付きの物件でも支払総額約220万円程度だ。Zの2WDの新車時車両本体価格が206万円、ディスプレイオーディオパッケージのオプション価格が9万7900円であったことを考えれば、十分お買い得ではないだろうか。
 

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文/ぴえいる、写真/トヨタ

ぴえいる

ライター

ぴえいる

『カーセンサー』編集部を経てフリーに。車関連の他、住宅系や人物・企業紹介など何でも書く雑食系ライター。現在の愛車はアウディA4オールロードクワトロと、フィアット パンダを電気自動車化した『でんきパンダ』。大学の5年生の時に「先輩ってなんとなくピエールって感じがする」と新入生に言われ、いつの間にかひらがなの『ぴえいる』に経年劣化した。