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おおむね見えてきた「新型コロナの影響」を総括【MARKET EDGE】
カテゴリー: クルマ
タグ: レクサス / メルセデス・ベンツ / BMW / ジャガー / ボルボ / プジョー / アルファ ロメオ / Eクラス / XC60 / レネゲード / ジープ / ジュリア / 3シリーズ / UX / XE / 508 / EDGEが効いている / 伊達軍曹 / c!
2020/07/08
“それ”がもたらす影響は、モデルや個体によって千差万別
「COVID-19が中古車市場に及ぼす影響」を予測してみると、おおむねは筆者の予測に近いイメージで市場は動いているようだ。
まず「超ラグジュアリーではない“アッパーミドル”ぐらいの高年式輸入車は、買い手不在に近い状況になるはず」と予想してきたが、これについてはどうやらほぼそのとおりだった模様。
神奈川県内で中古車店を営むN氏は5月末の某日、筆者のヒアリングに対して以下のように返答した。
「ドイツご三家のディーラー試乗車や社用車だったような高年式・低走行の物件でも、中途半端に高級なモデルで、なおかつ流通量が多い(=ありふれている)モデルやグレードは、直近のオークションではほぼ買い手が付いてない状況ですね」
だが、それも「モデルや個体による」と言うN氏ではある。
「こんな状況下でも、値段が付くやつは付くんですよ。例えばちょっと前、BMWの130i Mスポーツを買い付けるためオークションに行きました。コロナで会場が閑散としていた時期でしたので『安く買えるかな?』と期待したのですが、実際は青天井で価格が上がっていき、最終的にはちょっと考えられない金額で落札されました」
人が本気で欲しいと思う商品と、コモディティ(差別化要因が少ない商品)との差が広がっている──ということなのだろう。
「カーセンサーEDGEが扱う題材からちょっと外れるかもしれませんが、日産 スカイラインのR34型GT-Rやトヨタの80スープラみたいな絶版国産スポーツも、コロナで海外バイヤーがいなくなってオークション相場が下がったとか一部メディアで書かれてますが、実際はぜんぜん下がってないですよ。売れるモノはコロナうんぬんに関係なく、お金を持ってる業者が確実に買ってます」
スーパーカーに関しても「コロナ騒動以降、確かにオークションへの出品数は減ってますが、これはスーパーカー業者の方々が“手元にキープしてるだけ“だと思いますね。今あわてて売らないで、時の経過を静かに待っていれば、いつか必ず高値で売れて儲かるわけですから」
感染の第2波がくるのかどうかはわからない。
だがいずれにせよ今、もしも「この時期ならではのお買い得度優先」で探すのであれば、狙い目は──言い方は悪いが──ありふれたアッパーミドルの高年式車、ということになるのだろう。
そしてそれ以外のカテゴリーについては、コロナうんぬんは過剰に意識せず、本当に欲しいモノを是々非々で粛々と探すほかない。
伊達軍曹の各国輸入車調査報告
●メルセデス・ベンツ E220d アバンギャルド
本文にご登場いただいたN氏が「直近のオークションでは特に安い」と言っていたのが、現行メルセデス・ベンツ Eクラスの超高年式・超低走行物件(要は元試乗車と思しき個体)。その中でも狙い目となるのがこちらのE220d アバンギャルドか、E200 アバンギャルド(BSG 搭載モデル)だ。
直近の相場は、新車価格757万円のE220d アバンギャルドにエクスクルーシブパッケージが付いている、2019年式の走行数千㎞程度の物件が約440万円から。新車を買うのがアホらしくなるほどの格安っぷりかも。
●BMW 3シリーズ
値落ち率で考えると上の現行メルセデス Eクラスほどではないが、2019年3月にデビューしたばかりの現行BMW 320i Mスポーツ(新車価格597万円)の低走行物件が370万円からイケるというのはなかなかのモノ。
こちらも流通量豊富ゆえの値落ちが続いている。
●アルファ ロメオ ジュリア
現行型BMW 3シリーズとほぼ同車格となるアルファ ロメオ ジュリアは以前からやや苦戦していたが、このところさらに拍車がかかった模様。
上級グレードのクアドリフォリオでさえなければ、超低走行物件でも290万円付近から。これまた中古車が非常においしい状態である。
●プジョー 508
フランス車ではプジョーの現行508が(売り手は大変だろうが、買い手としては)比較的おいしい状況になっている。
新車価格501万1000円であるGT BlueHDiの超低走行物件がおおむね350万円からで、新車価格467万5000円のGT Lineは340万円前後から。
●ジャガー XE
人気のカテゴリーであるSUVは各社のモデルとも堅調な相場をキープしているが、人気薄なカテゴリーであるセダンのジャガー XEはめっぽうお買い得。走行数千km程度の2000年式XEピュアが、搭載エンジンを問わず290万円前後から狙えてしまうという状況だ。
●ボルボ XC60
近年、独特のブランドパワーを獲得しているボルボだけあって、新世代モデル各車の相場は比較的安定している。しかしそんな中でも、おおむね高値安定だった現行型XC60が少しだけお手頃方向に。
具体的には2017年式のT5 AWDモメンタムが440万円~といったところ。
●ジープ レネゲード
比較的盤石だったジープ レネゲードの相場に若干のほころびが。
「200万円の壁」をなかなか突破できずにいたのだが、直近では160万円前後からスタートする100万円台の物件も多数登場。お手頃系SUVが気になる層にとっての「もうひとつの選択肢」になりつつある。
レクサス UX
レクサスでは注目のコンパクトSUVであるUXが今月、小幅ながら確実にお手頃方向へと第一歩を踏み出している。前回は350万円付近が同車の底値だったが、直近では325万円に。
あともうほんの一声下がれば、高すぎず安すぎずの「ちょうどいいSUV」になるだろう。
※カーセンサーEDGE 2020年8月号(2020年6月27日発売)の記事をWEB用に再構成して掲載しています。注目相場は2020年6月10日時点
自動車ライター
伊達軍曹
外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。現在は「手頃なプライスの輸入中古車ネタ」を得意としながらも、ジャンルや車種を問わず、様々な自動車メディアに記事を寄稿している。愛車はスバル XV。
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