三菱 アイ・ミーブ▲2009年に登場した軽自動車EVのアイ・ミーブが今回の主役です!

市販の軽自動車EVって10年以上前に登場してたんです!

いよいよ発表&発売となる軽自動車のEVである三菱 ekクロスEVとその兄弟車である日産 サクラ。最近では、頻繁にテレビCMも流れていることから気になっている人も多いのではないでしょうか?

わざわざガソリンを入れに行く手間もなく、夜間充電などを活用すればガソリンよりも圧倒的に低いコストで運用ができる点も魅力ですし、エンジンがないことで定期的なエンジンオイル交換も不要であるなど、日常のアシとしては最適とも言えます。
 

日産 サクラ▲こちらが日産 サクラ。CMで見かけた方も多いはず

とはいえ、車両本体価格がおよそ233万円~という価格は、いくら国からの補助金が出るとはいえなかなかハードルが高いもの。

そこでチェックしていただきたいのが、今から10年以上前に登場し、昨年まで販売が続けられていた隠れたロングセラーEVの「アイ・ミーブ(i-MiEV)」です。

この時代を先取りして登場したアイ・ミーブ、なんと現在は総額50万円以下から狙える物件が存在し、比較的状態の良い物件であっても100万円ほどで十分購入することができてしまうのです。
 

三菱 アイ・ミーブ

バッテリー容量が2種類用意されたアイ・ミーブ

2009年に正式発表されたアイ・ミーブは、2006年に登場していた軽自動車「アイ(i)」の電気自動車版です。

ただ、軽自動車をベースにムリヤリEV化したわけではなく、開発時点からEVをラインナップすることを前提にしていたため、室内空間や荷室空間は通常のアイと全く同じ。その点は、日常のアシとして使用する軽自動車としては美点と言えるでしょう。
 

三菱 アイ▲こちらがベースのアイ
三菱 アイ・ミーブ▲アイ・ミーブの室内ですが、特段ベースモデルから変化はなく、ぱっと見EVな感じはしません

搭載されている駆動用バッテリーは、当初は16.0kWhの容量をもつもので、駆動用モーターの出力は64ps/16.3kgf・mと、最大トルクはアイのターボモデルのおよそ1.7倍となっていました。

また、2011年7月のマイナーチェンジでは、廉価版として10.5kWhの容量をもつモデルも追加。こちらのモーターは最高出力こそ41psに抑えられていましたが、最大トルクは16.0kWhモデルと同じく16.3kgf・mとなっています。

当時のカタログ値での航続距離は、16.0kWhモデルが180km、10.5kWhモデルが120kmとなっていましたが、実質的な後続可能距離は16.0kWhで120km前後、10.5kWhモデルで100km前後というのが現実的なライン。

とはいえ、日産自動車の調べによると軽自動車ユーザーのおよそ半数が1日の走行距離が30km未満となっており、30~100km未満のユーザーも合わせると8割以上を占めるということなので、必要十分とも言えるのではないでしょうか?

ちなみにアイ・ミーブは、2021年3月まで販売がなされていましたが、2018年4月の一部改良で、対歩行者安全強化のために大型化されたバンパーを装着することになり、軽自動車ではなく普通車となっています。
 

自宅で充電できて走行距離は少なめな人にベストマッチ

アイ・ミーブの特徴は、良くも悪くも電気自動車であるということ。そのため、モーターならではのトルクフルな走りや静粛性、そしてコストメリットなどは非常に高いものがあります。その一方で、航続距離の短さや充電の煩わしさというのはデメリットとも言えるかもしれません。

そのためアイ・ミーブをオススメしたいユーザー像は、「すでに長距離移動が可能な車両が1台あり、近距離移動用の軽自動車が欲しいと思っている、自宅に充電コンセントが設置可能な人」というのが正直なところ。
 

三菱 アイ・ミーブ

アイ・ミーブも一部のディーラーや高速道路のサービスエリアなどに設置されている急速充電に対応しています。ですが、そもそものバッテリー容量が大きくないため、急速充電をしても走行できる距離はたかが知れており、わざわざ30分待ってまで毎回急速充電をするというのは効率が悪くなってしまいます。
 

三菱 アイ・ミーブ▲普通充電と急速充電の給電口は左右に分かれている

一方、自宅で充電できる環境であれば、帰宅してコンセントにつないでおけば毎朝ほぼ満充電になっているので、わざわざガソリンスタンドに足を運ぶ手間もありません。

自宅に充電コンセントを設置するための費用は安ければ10万円以下からとなっているので、思いのほかリーズナブルに設置できるというのも嬉しいポイントですね。
 

あえて低容量バッテリーモデルを買うのもアリなアイ・ミーブの選び方

アイ・ミーブには前述したとおり、大きく分けて16.0kWhモデルと10.5kWhモデルの2つが存在しています。当然ながらバッテリー容量の大きな方がオススメ……と思いきや、アイ・ミーブに関しては一部ユーザーにとって10.5kWhモデルの方が魅力的に映っているケースも少なくありません。

実はこの10.5kWhバッテリー、使用していても劣化がしにくいバッテリーとして知られており、中には10万km近く走行した状態でも新品時と同等のバッテリー容量をキープしている個体もあるほど。

そのため、そこまで1回に長い距離は走らないけど毎日車に乗るというユーザーは、あえて10.5kWhのバッテリーを搭載した「M」グレードをピンポイントで狙う人も多いのです。

そんな「M」グレードは高年式な物件こそ150万円前後の価格帯となっていますが、走行距離が5万km以上のものでは総額100万円ほどで狙えるものも多くなっています。走行距離がかさんでいても、駆動用バッテリーの状態が良ければ大いにアリ。

なお、バッテリーの残容量はメーター上などに表示されているわけではなく、専用のテスターを使用して計測しなければならないため、通常は三菱のディーラーに車両を預けて有料でチェックしてもらう必要があります。

また、流通台数は全国で93台と若干少なめ。その中で先述した「M」グレードは39台と、およそ半数近くを占めています。
 

三菱 アイ・ミーブ▲日産 リーフのようにバッテリーの劣化具合は表示されない

三菱のディーラー系中古車店では、現時点での残容量を掲載して販売している車両も多いので、走行距離ではなくバッテリーの残容量を重視した車選びをするというのが、EVの正しい買い方となります。
 

▼検索条件

三菱 アイ・ミーブ(初代/軽)×全国

※記事内の情報は2022年6月11日時点のものです。

文/小鮒康一、写真/篠原晃一、三菱、日産
小鮒康一(こぶなこういち)

自動車ライター

小鮒康一(フナタン)

スキマ産業系自動車ライター。元大手自動車関連企業から急転直下でフリーランスライターに。中古車販売店勤務経験もあり、実用車からマニアックな車両まで広く浅く網羅。プライベートはマイナー旧車道一直線かと思ったら、いきなり電気自動車を買ってしまう暴挙に出る。愛車は日産 リーフ、初代パルサー、NAロードスター。