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モデューロXとベース車の価格差は44でもお買い得! フィット モデューロXの装備は手の込んだ開発の賜物だった!
- 筆者: 篠田 英里夏(MOTA編集部)
- カメラマン:小林 岳夫
ホンダ車には、ホンダの純正アクセサリーなどを扱うホンダアクセスが手がけるコンプリートカー「Modulo X(モデューロX)」が設定されるモデルが多数ある。車体価格でみるとモデューロXは高額に見えるかもしれないが、さまざまな機能パーツが付いてディーラーで購入できること、装備がついた状態で納車できるのは大きなメリットだ。
今回はモデューロXの開発方法と、ホンダ フィット e:HEV モデューロXを例に、ベースとなった通常グレードの「LUXE」を比較してみよう。
見た目重視のカスタムではなく、どんな道で乗っても気持ちの良い走りが楽しめるモデルに仕上がっている!
モデューロXは、クルマをコントロールしやすくセッティングすることで、「誰がどんな道で乗っても安心して気持ちよく走れる」ことを目指している。カスタムというと、派手で見た目重視の乗りにくいクルマというイメージがあるかもしれないが、モデューロXはその逆だ。
そのため車両の作り込みは実に細かい。すでに完成されている新型車を「人の感覚を重視して数値には表れない”乗り味”を匠の手で作り込む」ことを念頭においているからだ。
開発には実走でのトライ&エラーを繰り返して作り込んでいる
その開発の手順を簡単に説明しよう。まずはデザインスケッチをもとにクレイモデルを作成し、クレイを元にエアロや足回りの装備をテスト車に装着する。
そしてホンダのテストコース、鷹栖プルービンググランドでデザイナーやモデラーも参加した実装テストを行う。テスト結果を受けて改善点を見直し、空気の流れを意識してパテを盛ったり削ったりして造形を整えていく。
また、ホイールも剛性案を複数試作しながら、実走によってホイールを決定。サスペンションも同じく実走によってテストしていく。
モデューロXが重視しているのは、日常の速度域でも体感できる空力効果「実効空力」だ。効果的なデバイスを装着し、こちらも実走テストによって作り込んでいく。
モデューロXの開発にはアドバイザーとして”ドリキン”こと土屋圭市さんも参加している。運転席だけでなく、後席にも実際に乗って乗り心地などの細かい点まで指摘するという徹底ぶりだ。
土屋さんのお墨付きを得て世に誕生しているモデューロXのモデルたち。そのどれもがただ速さを求めているわけではなく、あくまでも日常使いでわかる違いになっているというのが肝だ。
価格差44だが、専用の装備が盛りだくさんだ
それではここから実際の車両を比較していこう。
フィット e:HEV モデューロXはフィット e:HEVの中でも高級グレードであるLUXEがベースとなっている。LUXEが242万6600(価格はいずれも税込)であるのに対し、フィット e:HEV モデューロXは286万6600。44もの差がある。装備にはどんな差があるのだろうか。
ホンダ フィット e:HEV モデューロXは専用装備を多く設定している。
エクステリアでは前後のエアロバンパー、テールゲートスポイラー、アルミホイール、ダンパーなどが当てはまる。
モデューロXの専用装備はよりスポーティさ、しなやかさを追求し、空力による前後リフトバランスの最適化に加え、専用ダンパーで常にタイヤを路面に接地させるストローク感のある乗り味を追求。アルミホイールも足回りの一部としてホイールの剛性バランスを整える効果があるという。
また、インテリアは専用カラーのインテリアパネルやシートステアリングホイール、パワースイッチなどが用意される。インテリアも疎かにせず、シートにラックススェードを使うなど、シートホールド性を高めつつ、上質感やプレミアムさを感じさせる変更を行っている。
逆にLUXEのみに設定されている装備もある。
ステアリングヒーター、アームレスト付センターコンソールボックス、ワイヤレス充電器、コンフォートビューパッケージ、テールゲートロアガーニッシュなどだ。中には純正アクセサリーとしてモデューロXに取り入れることも可能だが、必要な人だけ取り入れて価格を無闇に高額にしていないのもポイント。
フロアカーペットマットはLUXEでは純正アクセサリーで用意、モデューロXでは標準装備となる。
すでに7車種で展開されている!
これまでN-BOX、N-ONE、ステップワゴン、フリード、S660、ヴェゼル、フィットと2021年までに7車種のモデューロXが登場した。
ヴェゼルのモデューロXは、2021年のフルモデルチェンジ時に姿を消していたが、2022年1月の東京オートサロンにコンセプトモデルが登場しており、正式発売が待たれるところだ。
ホンダ車の魅力を一段と高めるモデューロX。乗ってみればその違いに驚くことだろう。
【筆者:篠田 英里夏(MOTA編集部)】
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クルマ好きが高じて、大学卒業後は自動車専門紙の記者や自動車メディアの編集を経験し、現職に至る。MOTA編集部ではこれまでの知識を生かし、主に記事制作や取材、企画などを担当。最近ではeモータースポーツのレースにもたびたび参戦している。記事一覧を見る
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