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【クルマ節約術】充実したカーライフを過ごすためにクルマを賢く買う10の方法
- 筆者: 萩原 文博
- カメラマン:日産自動車、トヨタ自動車
クルマは購入時だけではなく、購入後も様々な税金がかかるほか、メンテ代や車検代、さらには駐車場や燃料…といったように様々なコストが発生する。それらコストを少しでも抑えて、楽しいカーライフを送れるようにクルマに関する節約術を紹介していこう。
最大の節約ポイントはクルマ購入のタイミング
まずは購入時の節約術から。
すでにクルマを所有している人限定となるが、「クルマを買い換えよう!」と多くの人が思うのが車検のタイミングだ。ここが一つ目の節約ポイント。現在乗っているクルマを、少しでも高く買い取ってもらえれば、あるいは下取りしてもらえれば、購入費用を少しでも抑えることができる。
買い取りの場合、車検の残っている期間が査定価格に大きく影響する。車検の残り期間が半年を切ってしまうと、車検無しという扱いになり査定額が下がってしまうのだ。したがって具体的な節約術としては、車検が切れる日から数えて半年前までにクルマの乗り換えを行うこと。たった1カ月でも車検が半年以上残っているかいないかで査定価格が変わってしまう。
せっかく高い金額を払って車検を通しているのだから、期日ギリギリまで所有したほうが…と思う人がいるかもしれないが、早め早めの準備が肝要だ。
メーカーの購入サポートはフル活用する!
二つ目に新車購入時に必ずチェックしてほしいのが、自動車メーカーや販売店が行っているキャンペーンなどだ。たとえば日産自動車は『今なら乗った分だけ購入サポートキャンペーン』を実施していて、対象車両の購入者が下取り車の走行距離や初年度登録年月に応じて最大10キャッシュバックを行っている。
各自動車メーカーはこういった新車購入者を対象としたキャンペーンを頻繁に行っており、自分の欲しいクルマが対象だった場合には、積極的に活用したいところだ。
ローンは1%の違いで大きく変わる
続いて三つ目は購入する際にローンを利用する場合の節約術。
現金一括で購入する人には関係ないが、多くの人はなんらかのローンを利用するはずだ。このローンの利率は、1%でも変わると総支払い額に大きく影響してくる。したがって購入する際には販売店のローンだけでなく、銀行のマイカーローンなどをチェックすると節約につながる。ただし、銀行のローンなどの手続きは自分で行う必要がある。最近ではWEB上で手続き可能だが、事前にローンが通るかを確認しておきたい。
たまに輸入車では車種限定だが、1.9%などの超低金利のローンを実施するケースがある。こういった低金利ローンを利用すれば、総支払い額を抑えつつあこがれのクルマに乗れる、という賢い買い方もできる。
新たな補助金はこれまで以上に魅力的
そして四つ目、電気自動車やプラグインハイブリッド(PHEV)、ハイブリッド、クリーンディーゼルなど環境性能の高いクルマを選ぶことも購入時の節約術につながる。
その理由は環境性能の高いクルマを普及させようということで補助金が設定されているから。とくにこれから環境性能の高い車両を購入する場合は、『令和3年度補正予算「クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金」』が適応され、従来よりも補助金の額があがっているのだ。
こういったクルマはガソリン車に比べて、車両本体価格は高価になるが、自動車取得税に変わって導入された環境性能割という税金も免税もしくは軽減される。そうするとガソリン車との価格差は、グッと縮まるということになるのだ。
意外と空いている都心部の立体駐車場
五つ目の節約術は、都市部に住んでいる人なら、クルマのサイズにこだわってみようということ。筆者が住んでいるマンションの駐車場は半数以上空いていて、その理由はクルマに乗らない居住者が多いことと駐車場のサイズに制限があるからだ。
築15年以上の都市部にあるマンションは立体駐車場を備えていることが多く、その場合は横幅1800mm以内、全高1550mm以下という制約が発生する。そうなるとミニバンや人気のあるSUVは入庫不可。しかし、この制約にマッチしたクルマを探せば、周辺の相場より安い駐車場が見つかるなんてこともあるのだ。
維持費を抑える最大のキモは燃料代
六つ目は維持費の中で最も気になる燃料代。燃料代を抑えるには燃費性能の優れたハイブリッド車を選べば良い、という話では身も蓋もなくなってしまう。もちろんハイブリッド車の燃費性能は素晴らしいが、それを生かすも殺すもドライバー次第なのだ。
カタログ燃費との乖離が大きいと思う人はいるかもしれないが、そういった人たちの多くは急発進や急加速、急減速というムダの多い走りをしているケースが見受けられる。
柔らかくアクセルを踏んで加速すれば、無駄な燃料消費を抑えられるし、しっかりと車間距離を開けて周りの状況判断をしていれば、早めのアクセルオフができるので、燃料をカットすることができる。心に余裕をもって運転すれば、安全なだけでなく、燃料代を抑えることにつながるのだ。
ちなみに燃料代はクレジットカードで支払ってポイントを溜めたり、会員カードを作ったりして、燃料代を1でも安くする方法がある。これらはまさに塵も積もれば山となるので、みなさんの努力の賜と言えるに違いない。
いろいろなガソリンスタンドに行くよりも、一店舗(または同じグループ)のガソリンスタンドに通うようにして、積極的にポイントを貯めることをお薦めしたい。
自動車保険の内容は意外と見落としがち
続いて七つ目は自動車保険。強制保険と言われる自賠責保険は節約できないが、自動車保険は様々な条件を見直すことで出費を抑えることが可能だ。
まずは年齢制限を掛けること。年齢が若い人のほうが事故のリスクが高いので、保険料が高くなる。若い人が乗らないというのであれば35歳以上などの年齢制限を掛けるとグンと保険料を下げることができる。
運転する人に制約を掛けることもオススメだ。不特定多数の人が運転するとこちらもリスクが高いので、運転できる人を限定すると保険料を下げることができる。
さらに家族で複数台のクルマを所有している場合、それぞれの車両に自動車保険を掛けているが、同じような内容の特約がついていないかを確認しよう。たとえば事故の際に役立つ「弁護士特約」などは、1台につけておけば家族の全員に対応するケースもある。
また、自動車保険は所有しているクルマで料率クラスが決まっているが、これは事故が多いクルマほど高くなるものだ。以前はスポーツカーの料率は高かったが、最近では高齢車が乗るクルマによる事故発生が多く、スポーツカーを凌ぐほどだ。したがって保険料率の低いクルマを選ぶというのも節約になる。
クルマ購入時はもちろんだが、乗り換えなくても定期的に自動車保険の見直しをすることが節約となるのだ。
「面倒だな」と感じる部分が維持費を抑えるポイント
ここからはちょっとした努力による節約術を。
八つ目に挙げるのはタイヤの空気圧。タイヤの中に入っている空気は少しずつ減っていく。そのまま空気圧が下がった状態で走ると燃費が悪化するだけでなく、タイヤに亀裂が入ってバースト(破裂)なんてこともあり得る。1カ月に1度はタイヤの空気圧チェックを行うようにしよう。
また、エコタイヤと呼ばれる転がりやすいタイヤを装着することも燃費性能を向上させることにつながる。タイヤ交換のタイミングでぜひ検討してみてほしい。
そして九つ目はクルマの軽量化も有効という話。
といっても特別なことをするのではなく、必要のないものは降ろして出掛けるということ。クルマのトランクやラゲッジルームを倉庫代わりに使っている人がいるかもしれないが、重量が重くなると、特にストップ&ゴーの多い街乗りで燃費が悪化する傾向があるので、注意しよう。
ちなみに、燃費性能にこだわる人の中には給油時に満タンにせずに、ガソリンタンクの半量だけに抑えるという人も。極端な例だが、クルマを軽くすることはそれほど燃費に影響するのだ。
積極的に整備することが節約につながる
最後は整備について。
まずエンジンオイルが劣化すると、燃費性能に影響があるだけでなく、クルマの寿命を縮めることになりかねない。したがって一般的には半年に1度はエンジンオイルを交換するように奨めたい。
コンパクトカーやミニバンの乗っている人に実践してほしいのが、タイヤのローテーションだ。とくにFF車に乗っていると、前輪にばかり負荷がかかってタイヤの寿命を縮めてしまうことになる。5000〜1万km、または半年〜1年に1回程度でタイヤの位置を入れ替えるようにしよう。冬になるとスタッドレスタイヤに履き替える人は、そのタイミングでローテーションするのが理想だ。
さらに、しっかりと整備・点検を指定されたタイミングで行うことも、長い目で見れば節約につながる。プロの目でチェックすることで、故障の芽を小さいうち(低額な修理で収まるうち)に摘み取ることができるからだ。
結論としては、クルマ購入時のローンの利率や買い換えのタイミングなどが、金額的には大きな節約につながり、基本的な整備やメンテナンスをしっかりすることが、細かい節約につながるのだ。
【チェックリスト】クルマを賢く買う10の方法
<購入検討時の節約>
・下取り査定の際は、車検の残期間に注意。
・メーカーや販売店のキャンペーンを利用すべし。
・ローン利率は1%違えば、大きく変わる。
・新たな補助金に注目すべし。
・駐車場の狙い目は、都心部の立体駐車場。
・任意の自動車保険は定期的に内容を見直そう。
<燃料費の節約>
・燃費低下を防ぐために、タイヤの空気圧チェックはお忘れなく。
・急発進、急停車は極力控えよう。
・余計な荷物を積んだままにするのは避けよう。
・エンジンオイルの交換、タイヤのローテーションは定期的に。
[筆者:萩原 文博/撮影:日産自動車、トヨタ自動車]
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