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マツダ3とCX-30のeスカイアクティブXエンジン搭載車に45も安い特別仕様車を追加! eスカイアクティブXのシェア拡大はあり得るのか!?
- 筆者: 永田 恵一
- カメラマン:MOTA編集部
ガソリンとディーゼルエンジンそれぞれのイイとこ取りをしたマツダのeスカイアクティブXエンジン。マツダ渾身のエンジンであり、2019年に登場したマツダ3やCX-30に搭載されている。だが、既存エンジンよりも価格設定が高く、販売的にはかなり厳しい状況にある。だが、じつはeスカイアクティブX搭載車のシェアが拡大する可能性が出てきたのだ。そう超お買い得な特別仕様車「スマートエディション」が追加されたのだった。そこで今回は特別仕様車がいかにお得か? という点やマツダが考える今後の動向を考えてみたい。
マツダ3とCX-30は厳しい状況! 一部改良で巻き返しか!?
マツダのミドルクラスカーであるマツダ3は2019年5月登場、ミドルクロスオーバーのCX-30も2019年9月登場と、どちらもまだ新しいモデルだ。しかし「市販車に盛り込める改良はすぐに反映する」という方針のマツダらしくというか、この2台が10月28日(木)にそれぞれ登場から2回目の一部改良を受けた。
ここではその内容を紹介し、その内容から感じるマツダの現状と変化を考えてみた。
>>マツダ CX-5は2022年以降どうなる? 高価格帯の新型CX-60に対して、CX-5などは低価格モデルで勝負する見込み
エンジンサウンドなど細かな改良を実施! 最大のポイントはお買い得車の追加にあり
まずはそれぞれの改良された内容だ。今回はマツダ3とCX-30それぞれの本命エンジンとなるeスカイアクティブX搭載車が中心となる。
具体的にはeスカイアクティブX搭載車の吸排気エンジンサウンドの進化だ。吸気口やサイレンサーの部品を変更し、加速時のエンジンサウンドを強調する仕上がりに。
そしてAT車のみであるが、アクセルペダルの踏力特性の変更である。アクセルペダルの反力を上げることにより操作している感覚が明瞭に感じられるようになり、クルマとの一体感を向上させているのだ。
加えてマツダ2、CX-5、CX-8に特別仕様車として設定され好評となっているスマートエディションを、それぞれのeスカイアクティブX搭載車のFF+6ATにカタログモデルとして追加。ちなみに価格はマツダ3が279万0741、CX-30は288万7500とどちらもかなりお買い得である。
それぞれの全パワートレーンにグロスブラックのドアミラーを装備。さらにはブラックメタリック塗装の18インチアルミホイールを纏い、レッドステッチが入るシートが付く特別仕様車ブラックトーンエディションを追加である。
上記のように今回の改良は比較的小規模だ。
スマートエディションの価格は強烈! 同装備のモデルで比較すると45以上も安い
今回の一部商品改良で一番注目したいのはeスカイアクティブ搭載車のXスマートエディションの設定だ。
スマートエディションは要するに装備を厳選したお買い得グレードである。マツダ3とCX-30のeスカイアクティブX搭載車ではその厳選(=省かれた装備)に対する価格が強烈だ。
ここからは、Xスマートエディションで省かれた装備を見ていきたい。ちなみに、今回の改良でeスカイアクティブX搭載車におけるベスグレード「プロアクティブ」が廃止。そのためマツダ3 Xブラックトーンエディション(FF+6AT、324万5000)を基準に比較していこう。
スマートエディションは安いながらも十分すぎる装備内容
クルージング&トラフィックサポート(CTS)と呼ばれる車線の中央をキープしようとする操舵支援を廃止している。ただ、スマートエディションにも紛らわしい名前ながら車線逸脱を防止するレーンキープアシスト(LAS)は装備されるので大きな差ではないのだ。
メーター内に標識を表示してくれるTSR(交通標識認識システム)や前側方接近車両検知を排除。そしてアダプティブLEDヘッドライトではなく、HBC(ハイビームコントロールシステム)である。だが、Xスマートエディションもヘッドライト自体はLEDを採用しているので、こちらもさほど大きな違いではない。
エクステリアにも違いがあり、アルミホイールは18インチから16インチにサイズダウンされている。ちなみにXスマートエディションにも他の装備とセットながら、18インチアルミホイールのオプション設定もされているのだ。大して変わらないと言えば変わらない。それでいて価格は約45万4000も安いのだ。
CX-30はマツダ3以上にお買い得に!
CX-30もXスマートエディションとXブラックトーンエディションの違いはマツダ3とほぼ同じだ。価格はXスマートエディション(288万7500)、ブラックトーンエディション(334万4000)となる。CX-30の場合、アルミホイールはそれぞれ18インチで、カラーだけ異なるイメージだ。それでいて価格は45万6500安く、お買い得度は若干ながらマツダ3以上に強烈だ。
>>CX-8検討勢必見! マツダ CX-8のベースグレードよりプラス15の特別仕様車「スマートエディション」は超お買い得だった
スマートエディション追加でeスカイアクティブX搭載車のシェア拡大へ!?
今年9月までのマツダ3とCX-30の販売台数は、マツダ3(約1万3000台)、CX-30(1万5500台)と、新しいモデルの割に伸び悩んでいる状況だ。そのなかでもeスカイアクティブX搭載車の販売比率は10%以下となっている。
渾身のエンジンながら価格設定が最大のネガだった
eスカイアクティブXは可能性こそ感じるエンジンながら、「すごく動力性能が高い」、「フィーリングが気持ちいい」、「すごく燃費がいい」というわけではない。それに加え、使用燃料はハイオクと、現状では中途半端な存在となっているのは否めない。
その割に価格はマツダ3の同じグレード同士で2リッターガソリンの約68万2000高、1.8リッターディーゼルの約40万7000高と得られるものに対し高く、販売比率が低かったのも仕方なかった。
ということをマツダも認識していたようで、「産みの苦しみの末誕生したeスカイアクティブXが売れて欲しい!」と、Xスマートエディションを追加したのだろう。
Xスマートエディションなら、CX-30で中級のプロアクティブに対し2リッターガソリンの27万5000高、1.8ディーゼルターボとは288万7500と同じ価格となっている。この価格ならCX-30とマツダ3を選ぶ際に「eスカイアクティブXを試してみよう」、「1.8ディーゼルターボと迷う」という人も現れ、今後eスカイアクティブX搭載車の販売比率は大きく向上するに違いない。
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スマートエディション追加で懸念点も! 2.2リッターディーゼル追加はさらに先へ
ただXスマートエディションの追加により、先代モデルの2代目アクセラにあった2.2リッターディーゼルターボの復活の可能性の線はほぼなくなったと思われる。マツダの2.2リッターディーゼルターボは速く、燃料代も安く、表情豊かな楽しいエンジンのため、筆者を含めファンが少なくなかっただけに、この点はちょっと複雑でもある。
いずれにしても、マツダは現在ラインナップに登場が古いモデルが増えている、モデルの新しいマツダ3とCX-30の伸び悩みなど苦しい状態ではあるが、XスマートエディションによるeスカイアクティブXの拡販でつなぎ、来年登場の直6エンジン+FRのラージ商品群で春が来るよう、頑張って欲しい。
【筆者:永田 恵一】
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1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る
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