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なぜかデコトラ乗りは「バニング」と「街道レーサー」が好き! 改造車の「兄弟ジャンル」といえる意外な共通点とは?
この記事をまとめると
■デコトラはほかの改造車とは一線を画す日本独自の文化
ド派手な電飾も張り出したバンパーもなし! デコトラ界の新風「ユーロアート」がいま人気急上昇
■だがバニングと街道レーサーはデコトラと兄弟関係にあるといえる
■デコトラ乗りがバニングと街道レーサー好きなのはいずれも日本発祥の文化であることが影響している可能性
デコトラのイベント会場でもよく見かけたバニング
トラックをベースにデコレーションを施す、日本独自の文化「デコトラ」。1960年代から現代に至るまで続いている改造車のジャンルだが、デコトラはとにかく個性的な存在だ。
多くの改造車が軽量化を目指し、FRP素材のエアロを装着する。そして安定性や見た目のカッコよさを求め、ローダウンなどによりクールにキメている。しかし、デコトラは重量のあるステンレスや鉄で製作された、空気抵抗を気にしないような大型の飾りを纏う。しかも電飾パーツにこだわる傾向が強く、昼と夜で異なる姿を披露するというところも、デコトラならではの特徴だといえるだろう。
そんな独特の世界観を持つデコトラだが、不思議と兄弟と呼べるようなジャンルが存在する。昭和や平成初期では、ハイエースやキャラバンなどをベースにしたバニングが、それだ。バニングとはエアロパーツでキメたワンボックスカーのことだが、デコトラ乗りが自家用車として乗る傾向にあった。そのため、バニングにデコトラ用のアイテムを採り入れるケースも多く見られ、デコトラのイベント会場にもバニングが当たり前のように来場していたのである。
そんなバニングのルーツは、じつは日本ではなくアメリカにある。ゴージャスなインテリアに、ハデなカラーリング。そんな車体に大きなタイヤを履かせ、サイド出しマフラーなどのカスタムで1970年代にブームになったアメリカの「バンニング」という文化を、日本流にアレンジしたのがきっかけだった。
1980年代に入るとブームは過熱していき、エアロパーツでキメるという日本独自のスタイルが確立。そうして、1990年代にはバニングの黄金期に突入する。
バニングブームがすぎると街道レーサーが人気を集めるように
そんなバニングのブームが過ぎ去った現代では、国産の旧車をベースにした昭和の暴走族仕様、いわゆる街道レーサーが人気を集めるようになった。厳密には昭和の時代からデコトラ乗りに人気のジャンルだったのだが、当時はバニング人気が凄まじかったため影を潜めていたのである。それに加えて、近年では旧車が大きなブームとなっている。そのため、デコトラ乗りが旧車を所有するケースも多くなっているのだ。
そんな街道レーサーは、デコトラと同じく日本発祥の文化。シルエットフォーミュラというレースで活躍したマシンに憧れた若者たちが、愛車をデッパや巨大なエアロパーツ、タケヤリマフラーなどで過激に改造したのがきっかけだと言われている。
街道レーサーという名称は、1980年代に創刊された自動車雑誌のコーナー名から定着したもの。ほかにもカラフルなカラーリングと控えめなエアロパーツでレーシーにキメる、福岡仕様と呼ばれる改造スタイルも人気を集めていた。
バニングは(デコトラ好きも)多かったけれど、バニングと兄弟関係にあったトラッキン(おもにアメ車のピックアップトラックのカスタム)は、デコトラ乗りには不評だった。そもそもアメリカの文化をそのまま採り入れた内容であったため、和を好むデコトラ乗りには浸透しなかったのだろう。
そして暴走族仕様の進化版ともいえるVIPカーも、デコトラ乗りには意外にも好まれなかった。これもまた、不思議な部分である。
結局は個人の好みなのだが、当時といまを知る人たちからすれば、過去はバニング、現在は街道レーサーがデコトラの兄弟ジャンルである、といっても異論はないのではなかろうか。
そんなデコトラとバニング、街道レーサーには実用性や空気抵抗よりも見た目重視、そして内装にもこだわるといった部分が一致する。さらに、デコトラと街道レーサーは日本発祥の文化である。そのような共通点も、デコトラ乗りに愛されている要因であるのかもしれない。
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