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SHARE 4月20~21日にフランスのル・マン-ブガッティ・サーキットで開催された『2024FIM世界耐久選手権(EWC)第1戦ル・マン24時間耐久ロードレース』。ヨシムラSERT Motulは優勝を飾ったが、決勝序盤に転倒を喫していた。逆転劇があった開幕戦についてチームディレクターの加藤陽平氏にインタビューを行い、ダン・リンフットについての印象も聞いた。
今季のヨシムラSERT Motulは、グレッグ・ブラック、エティエンヌ・マッソン、ダン・リンフットというラインアップだ。シルバン・ギュントーリがBMWモトラッドに移籍して、リンフットが新加入。また第4ライダーには渥美心が正式に起用された。
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国内やヨーロッパのサーキットでテストをこなして、4月上旬からル・マンに入ったが、ヨシムラSERT Motulとしては公式テストから数えると7回の転倒があり、レースウイークに入ってからも予選までに3回、そして決勝序盤にも1回の転倒があったという。
加藤ディレクターは「こんなに転倒した経験は初めてでした」と語るが、今年仕様のスズキGSX-R1000Rに問題があったわけではなかったという。
「マシンに関してはポジティブでした。クラッシュの理由もフロントからやハイサイド、リヤがなくなる、ウエットパッチなどいろいろでした。(ライダーからの)コメントはいいし、マシンはよくなったと思っていましたが、これは何か潜んでいることがあるのかと少し不安になっていました」
決勝では好スタートを決めてYART - YAMAHAの後ろにつけて2番手を走行。しかし、レース3時間を前にしてグレッグ・ブラックが2度目の走行に入ったアウトラップの最終コーナー手前で転倒を喫してしまった。
「決勝は一度転びましたけれど、チームのミスなのでそれ以外はライダーがうまくやってくれたので助かりました。ライダーは責められません」と加藤氏。ピット作業でのミスでトラクションコントロールをオフにしてしまったことが転倒の原因だったようだ。
加藤氏の不安が的中してしまったが、転倒後はすぐにピットに戻れたことや、約5分のマシン修復でコースに復帰できたことが幸いだった。さらに、逆走してピットレーンに戻ったため、ライドスルーペナルティは科されたがレースへの影響は少なく、18番手まで順位を落としたがレースに戻り挽回していく。
「転倒はしましたが、去年の(1周目の)ようなビッグクラッシュではなかったので、まだまだリカバーできる順位でした。優勝できるとは正直思わなかったけれども、表彰台には間違いなくチャレンジできるなと思っていました。アクシデントがあったのはウチだけではないので、耐久レースの醍醐味だと思いました」
その後は順位を上げて、ライバル勢のトラブルや転倒もありヨシムラSERT Motulが昨年の最終戦ボルドール24時間に続き優勝を果たした。周回数は857周で、最多周回数まであと3周に迫っていた。
さらに、加藤ディレクターに新加入したリンフットの印象を聞くと以下のようにコメントを語った。
「まだまだ頑張ってもらえると思いました。彼にとって24時間レースは初めてではないけれど、僕たちみたいなチームで走るのは初めてだったと思います。いろいろなプレッシャーにさらされながら、常に本人の持っている実力を出すこと自体が難しいわけですが、ライダーの先輩たちはそれをやるので、そこに行ってほしいと思います」
「スピードはあるし、ナイスガイだし、チームへの協力もしてくれるので、常にどんな環境でも自信を持って自分の力を出すことをさらに期待しています」
次戦はレース時間が短く、スパで8時間レースが行われる。ヨシムラSERT Motulが連勝を果たすだろうか。
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