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SHARE 4月27日に行われた2024年MotoGP第4戦スペインGPのスプリントレースは、参戦した25名のライダー中、15名が転倒するという、まさにサバイバルレースとなった。トップを走行していたマルク・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)もまた、その15名のひとりだった。その一方、ワイルドカードとして参戦したダニ・ペドロサ(レッドブルKTMファクトリーレーシング)は、難コンディションのスプリントレースで、3位のメダルを獲得した。
■15名ものライダーが転倒した理由
15名のライダーが転倒した主な理由は、端的に言えば、一部に濡れた部分が残っていた路面コンディションによる。土曜日のヘレスは夜から午前中にかけて雨が降り、MotoGPクラスの予選まではウエットコンディションで行われた。
追記あり【順位結果】2024MotoGP第4戦スペインGP スプリントレース
その後、天候は回復し、路面に陽が差すとともにコンディションはウエットからドライへと変化していった。スプリントが始まる15時にはほぼドライコンディションで、全ライダーがスリックタイヤを装着してグリッドに並ぶが、路面には一部に濡れた部分、ウエットパッチが残っていた。
もちろん、ライダーはサイティングラップやウォームアップラップで、こうした路面状況を確認していただろう。ただ、ヘレス・サーキットの路面の色が、濡れた個所をわかりづらくしていた、という状況もあった。
「路面は完全にドライではあったけど、いくつかウエットパッチがあった。路面の色がとても難しくて……」と説明するのは、3周目、13コーナーで転倒したファビオ・ディ・ジャンアントニオ(プルタミナ・エンデューロVR46・MotoGPレーシングチーム)である。
「ウエットパッチって黒いと思うんだけど、ここではアスファルトが同じ色なんだ。だから本当にゆっくり走って(バイクの)上からウエットパッチを見つけないといけない。そうじゃないと、フロントかリヤのグリップを失ってはじめて、そこにウエットパッチがあったと気付くことになる。コンディションはまあ、大丈夫だった。スリックで行く限界だったね」
完走して10位だった中上貴晶(イデミツ・ホンダLCR)は、路面状況についてこう説明する。
「(路面は)限りなくドライに近かったですが、2コーナーや、特に5コーナーのいやなところ、レコードラインにウエットパッチが染み込んでいるような状況でした。ぱっと見てもわからないような状況だったんですよ。あとは8コーナー、9コーナーも。けっこう、いやなところにウエットパッチがありました」
この路面の餌食になったひとりが、スペインGPを母国グランプリとして迎えていたマルク・マルケスだった。ドゥカティに移籍して初となるポールポジションを獲得して、スプリントでは一時、ホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)の先行を許すも、ハイペースで1秒の差を詰め、7周目にトップに立った。転倒は、その矢先だった。マルケスは9コーナーでフロントがウエットパッチに乗り、クラッシュした。
「レース中はあれがウエットパッチだとは思わなかったよ。コーナー進入のところにウエットパッチがあるのはわかったんだけど、立ち上がりではウエットパッチがあるのはわからなかった」
10周目、5コーナーで転倒したマーベリック・ビニャーレス(アプリリア・レーシング)もまた、同じように「(ウエットパッチがあると)気付きもなく警告もなくクラッシュ」した。ビニャーレスは「(ブラッド・)ビンダーたちがクラッシュしたあとに、レースができるコース状況ではないと考えられるべきだったと思う」とも語っている。
これはビニャーレスの見解ではあるが、かなりの難しいコンディションであったことが窺える。それが、転倒者15名、完走者16名という極限のサバイバルレースを生んだのだった。
■ダニ・ペドロサ、レース後に獲得した3位
こうしたコンディションのなか、完走したライダーのひとりが、ダニ・ペドロサ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)である。KTMのテストライダーであるペドロサは、ヘレスにワイルドカードとして参戦していた。ウエットでの予選に苦戦して16番手に沈むも、レギュラーライダーたちが次々と転倒していくなか、堅実に走り切って4番手でゴールした。
ちなみに、転倒したライダーのなかには、ペドロサと同じくテストライダーという使命を負って参戦していたロレンツォ・サバドーリ(アプリリア・レーシング)とステファン・ブラドル(HRCテスト・チーム)が含まれる。
「いいスタートを切って、最初のふたつのコーナーはだいたいよかった。僕は13番手くらいにいたと思うけど、すでにファビオ(・クアルタラロ)の後ろを走っていた。最初の2周で彼をオーバーテイクしたかったんだけど、最初のクラッシュを見て、次の周にもまたクラッシュを見ることになって、またその次の周にもクラッシュがあって……。それを見て『あまりプッシュしないようにしよう』と思ったんだ。タイヤはまだ温まっていなかったし、路面は難しい状況だったし」
こうしてペドロサは、レース中のほとんど、ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)の後ろで走っていた。だが、前のライダーが次々にクラッシュするものだから、ペドロサは、もはや自分のポジションがわからなくなっていた。クアルタラロをメインストレートでパスしようと並びかけていたので、ピットボードを確認できていなかったのだ。
最終ラップを迎えたとき、ペドロサは自分が6番手か7番手を走っていると思っていたという。ピットに戻ってスタッフに言われ、ようやく3位を逃したのだと気が付いた。
ペドロサは「残念だけどね。0.06秒差で表彰台を逃したんだから」と言って笑った。だが、この囲み取材のあとに結果が変わる。3番手でゴールしたクアルタラロに対し、FIMスチュワードがペナルティを科したからだ。
これは、クアルタラロのタイヤの空気圧がミシュラン推奨のパラメーターよりも低かったため、結果に8秒が加算されたというもので、クアルタラロのほかにアレックス・リンス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)、ジャック・ミラー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)、ラウル・フェルナンデス(トラックハウス・レーシング)、ディ・ジャンアントニオもまた、同様のペナルティを受けている。
違反が多発した理由は定かではない。ただ、タイヤの内圧というのはスタートするグリッドポジションからレースの展開を予想して規定の範囲に収まるようにチームが設定する。あくまでも推察になるが、多くのライダーが転倒を喫したこのレースで、想定されたよりも集団での走行にならなかったことが要因のひとつだったのかもしれない。
すでにトップ3ライダーのセレブレーションは終了していたため、ペドロサのそれは、すべての囲み取材が終わった夕方、パドックで特別に行われた。ペドロサのためのセレブレーションエリアは、チームのトレーラー付近に設けられていた。ブロンズ・メダルを受け取ったペドロサは、西日を受けて目を細めながら満面の笑みを浮かべる。それは、難コンディションで仕事を果たしたペドロサが受け取った、大きな報酬だった。
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