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新型ノートVSノートオーラの悩ましいグレード対決! プロパイロット機能が欲しいならノートオーラを選ぶべきだ
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:島村 栄二/茂呂 幸正/森山 良雄/和田 清志/日産自動車
日産の新型ノートと日産 ノート オーラはコンパクトカーを選ぶ際に悩むポイントの一つになるのではないだろうか。じつは装備内容が大きく異なる2台、コストパフォーマンスの観点からベストな選び方を紹介しよう。
新型ノートは装備を充実させようとすると270超になってしまうためSグレードが望ましい
日産 新型ノートは5ナンバーサイズのコンパクトカーで、日産 ノートオーラは、ノートの上級シリーズに位置付けられる。ノートオーラでは、全幅が40mm広げられて1735mmになり、3ナンバー車とした。内外装も上質で、エンジンやモーターの基本部分は共通ながら、動力性能も向上させている。走行安定性も高めた。
まずは新型ノートの選び方だが、基本的に3種類のグレードがある。LEDヘッドランプと運転支援機能のプロパイロットはメーカーオプションになり、プロパイロットを装着できる新型ノートは最上級のX(218万6800)のみだ。
そこでXにプロパイロットをオプション装着すると、価格が44万2200の上乗せになってしまう。新型ノートではプロパイロットを装着すると、後側方車両検知警報、インテリジェントルームミラーなどもセットオプションとして加わるからだ。そのためにセットオプション価格が44万2200に達した。
また新型ノートではLEDヘッドランプもオプション設定で、この価格は9万9000だ。前述のセットオプションとLEDヘッドランプを新型ノートXに加えると、総額は272万8000に達する。220以下の新型ノートXを選びながら、オプション装着によって270を超えるのは、現実的ではないだろう。
そこで価格を抑えた新型ノートに相応しい選び方を考える。まずグレードはS(202万9500)を選択する。SはタイヤサイズがXの16インチから15インチに変更されたりするが、基本的な装備に大差はない。
このSに、メーカーオプションの日産オリジナルナビ取り付けパッケージ(2万7500)とディーラーオプションのカーナビ(14万8000)を加えると、総額は220万5000に収まる。LEDヘッドランプ(9万9000)を追加しても230万4000だ。プロパイロットは装着できないが、新型ノートではこのような実用装備をシンプルに加える選び方が合理的になる。
プロパイロットが欲しいならノートオーラGがおすすめ
一方、プロパイロットなどの装備を充実させたい時は、ノートオーラG(261万300)を選ぶ。ノートオーラGの価格は、新型ノートXよりも42万3500高いが、新型ノートXがオプション設定としているLEDヘッドランプ、セットオプションに含まれる後側方車両検知警報、アルミホイールなどを標準装着した。
これらのノートオーラGに標準装着される装備を価格に換算すると、約26に達する。つまりノートオーラが新型ノートに比べて内外装を上質に変更したり、動力性能と走行安定性を高めた対価は、価格差から装備換算額の26を差し引いた16だ。実質価格差が16なら、上級装備を必要とする場合、新型ノートよりもノートオーラを選ぶ方が割安だ。
ノートオーラにはお買い得モデルも存在する
そしてノートオーラGには、本革シートと後席センターアームレストを加えたGレザーエディション(269万9400)が設定され、Gとの価格差を8万9100に抑えた。つまりノートオーラGよりも、Gレザーエディションが買い得になる。
さらにノートオーラには、スポーティなNISMO(ニスモ/286万9900)も用意される。NISMOはエアロパーツを装着して、アルミホイールも専用デザインになる。インパネ、メーター、シートなどの内装も同じく専用に造り込み、スポーティ感覚を強めた。
NISMOの走行性能に関連する機能では、ボディを補強して、ショックアブソーバーなどを専用にチューニングしている。タイヤの銘柄はミシュランスポーツパイロット4に上級化される。さらにe-POWERの制御を調節できるドライブモードは、ノートオーラではノーマル/エコ/スポーツの3種類だが、NISMOはスポーツモードを「NISMOモード」に変更した。アクセルペダルを戻した時の減速力を少し弱め、峠道などを走る時に、フットブレーキを併用して速度を調節しやすいように工夫している。
ノートオーラNISMOはこれだけの機能を加えて、ノートオーラGレザーエディションと比べた時の価格上昇を17万500に抑えた。つまり新型ノート+ノートオーラのシリーズでは、上級仕様になるほど、価格が割安になっていく。
従ってベーシックな新型ノートが欲しい時は、先に述べた新型ノートSを選んで最小限度のオプション装備を加え、価格の総額を220〜230に抑える。それ以上の内容を望む時は、ノートオーラにグレードアップさせ、ノートオーラGレザーエディションやノートオーラNISMOを選ぶ。今のノートシリーズでは、買い得グレードが二極分化された設定になっているわけだ。
今後の展開としては、新型ノートにLEDヘッドランプ、カーナビ、プロパイロットを装着して、価格を250前後に抑えた特別仕様車を設定するだろう。現時点でもプロパイロットを標準装着するXエアリーグレーエディションを用意するが、LEDヘッドランプはオプション設定で、価格は262万9000だ。特別仕様車としては、割安度がいまひとつになっている。
なお後輪をモーターで駆動する4WDの価格は、新型ノート、ノートオーラともに25万8500の上乗せだ。後輪のモーターの駆動力も相応に高く、駆動力の制御も綿密に行われる。4WDは雪道だけでなく、雨天や乾いた峠道でも運転がしやすいから、積極的に選ぶと良い。
【筆者:渡辺 陽一郎】
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1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る
自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。
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