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SHARE 雨の中行なわれたF1中国GPのスプリント予選で、ライバルを大きく引き離すタイムを記録してポールポジションを獲得したランド・ノリス(マクラーレン)。しかしその予選では、彼のポールタイムが一旦抹消された後に復活するという珍しい事態が起こった。
金曜午後に行なわれたスプリント予選では、元々滑りやすくなっていた路面が雨によりさらに滑りやすくなり、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)やシャルル・ルクレール(フェラーリ)をはじめ多くのドライバーがコースオフする難しいコンディションとなっていた。
■F1中国GPの”ペイント”路面処理、FIAは把握もチームやピレリに知らされず「現地入りして驚いた」
そんな中でノリスはSQ3で1分57秒940を記録し、ライバルに対して大きな差を付けてトップに立った。しかし彼はアタックラップに入る直前の最終コーナーでコースオフしており、4輪全てが白線の外に出てしまった。つまりトラックリミットを逸脱してしまったのだ。
FIAはいつものように、トラックリミット違反があったラップタイムを削除した。そしてさらに、その翌周のラップ……つまりノリスがポールタイムをマークしたラップも削除されたのだ。これは通常、最終セクションでトラックリミットをはみ出すことでスピードに乗り、翌周のアタックラップでアドバンテージを得ることを防ぐためだ。
これは多くのサーキットで標準的に行なわれている動きだが、レースコントロールはノリスはこのコースオフでアドバンテージを得ていないことにすぐに気づいた。マクラーレンのチーム代表であるアンドレア・ステラも、ノリスがコースオフによって加速が遅れ、少なくともコンマ3秒を失ったと推定している。
レースコントロールはこれを受けて手動でラップタイムを復活させ、その結果ノリスはスプリントのポールを獲得するに至ったのだ。なおレースディレクター発行のイベントノートには、「予選と決勝レースでは、ドライバーがトラックリミット内に留まることに失敗する度に、“当該ラップタイム”はスチュワードによって削除される」とされており、トラックリミット違反があった翌周の処遇については明記されていない。
そもそも、上海国際サーキットの最終コーナーは高速で通過する左コーナーとは言え、縁石の外がすぐグラベルになっているため、トラックリミットを逸脱することでアドバンテージを得るのはほぼ不可能となっている。
ステラ代表は『Sky Sports F1』に対して次のように語った。
「彼ら(レースコントロール)は今回のケースにおいて、彼(ノリス)が最終コーナーではみ出したことで次のラップに影響を与えたかもしれないと考えたのだろう。ただ次のラップはポールラップになったが、完全にクリーンだった。問題は全くなかった」
「FIAは自らそのラップを復活させた。あのコーナーではみ出したところで、立ち上がりのスピードはかなり遅いものになってしまう。事実上ランドは(アタックラップ)直前のコーナーではみ出したことで、コンマ3秒くらいを失ったんだ」
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