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新型シビックの静粛性と上質な走りを確認! 一気に大人びたデザインはターゲットの若者にウケるか?
掲載 更新 carview! 文:山田 弘樹/写真:望月 浩彦 330
先代より進化した静粛性とボディ剛性
走りの検証は、高速周回路とワインディングコースで行われた。グレードは上級仕様となる「EX」をCVTで、ベーシック仕様である「LX」を6MTで試し、これを先代モデルと比較した。
搭載されるパワーユニットは今回1.5直列4気筒ターボ(182PS/240Nm)のみだったが、それはe:HEV(イー・エイチ・イー・ブイ)がタイプRと共に来年登場予定となっているからだろう。
本来ならハイブリッド/ガソリンエンジン両方が同時に発表されるべきだと思うが、ホンダ的には現行シビックユーザーの乗り換えを考えて、まずはガソリンモデルから発売するのだという。
なんだ、e:HEVないのか……。肩透かしを食らったかのような気持ちで高速周回路に出ると、まずその静粛性に軽く驚かされた。アクセルの踏み始めから1800rpmに掛けてを特に注目して欲しいと言われたが、まさしくこの走り出し領域で新型シビックは、先代モデルに対してNV(ノイズ/バイブレーション)がきれいに取れている。
エンジンは今回クランクシャフトとオイルパンの剛性を上げることによって、その振動がかなり押さえ込まれたのだという。さらにマウントステーの剛性を上げて、エンジントルクロッドまで用意してその振動を減衰している。またロードノイズロードに対してはフロントアンダーボディパネルを補強し、リアトレーリングアーム取り付け剛性を上げることで振動伝達特性を改良。さらに各ピラーにはスプレー式発泡ウレタンを8カ所充填し、ホイール内部には空間共鳴音を消音するノイズリデューシング機能までも装着している。
それはちょっと、やり過ぎな感じがしなくもないほどの改良だった。先代モデルはエンジンの存在感がそれなりにあって、骨太な感じで悪くない。だがホンダが静粛性に固執するのは、この新型がe:HEVをはじめとしたモーター駆動車たちに混じっても陳腐化しないためだと思われる。5年以上は確実にあるモデルサイクルを生き抜くためにも、それは必用なことだったのだろう。
フロントフードの左右後端を25mm、Aピラーも50mm後方に下げて得られた視界は広々している。室内では開放感をイメージせるためにエアコンのアウトレットが横長に配置され、メッシュ構造となっているのが特徴的だ。
ちなみに新型シビックはそのショルダーライン後端を従来より35mm下げてから最後にキックアップさせており、後部座席の側方視界を広げている。なおかつこのデザインでリアタイヤとの幅を狭めることで、クーペスタイルを強調している。
またリアゲートを樹脂化して成形の自由度を高め、ヒンジレイアウトを工夫することでルーフ後端を50mm下げながらも、従来同等のヘッドクリアランスを得た。
そのハンドリングは、ワインディングコースを待たずして違いが感じられた。
先代はフロントでがっちりと路面をつかむ感じが強く、対して新型は操舵感が滑らかになっているのだ。その要となるのはボディ構造の進化だ。プラットフォームは先代を踏襲しているが、前後のバルクヘッドは環状構造となり、フロアには格子状フレームを配置。そしてトンネル部分も構造を改めた。
安全基準への対応としては前席はダッシュボードクロスメンバーが補強され、トンネルスティフナーを追加。リアドア開口部にもホイールアーチスティフナーを追加して側突への対処をしながら、ねじり剛性を従来比で18%向上している。
ダブルレーンチェンジでの落ち着いた挙動には、リアトレッドの拡大が効いていると感じた。電動パワーステアリングの制御も新型は一段滑らかである。
そして走りの違いは、特にレーンキープ機能をアクティブにした高速レーンチェンジでの所作ではっきり現れる。先代はレーンチェンジに対して結構強く一気に転舵。これに対して新型は、少しずつ滑らかに切って行くから走りが上質なのだ。
ここには車体剛性の違いと併せて、フロントカメラの広角化も大きく影響している。より遠くまで見えるから、ステアリングを徐々に切って行けるのである。逆を言えば先代モデルは短い時間で正確な対処が必要になるため、自然とフロントの剛性が高くなって行ったのではないだろうか。比較すると先代シビックは、クルマ側が身構えているような印象を受ける。人もクルマも、視野を広く持つことが大切である。
>>>内外装チェック動画
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