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トヨタ クラウン(セダン) 「セダンの王道をいくスタイルと独自のパワートレーン」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。
- 西村 直人(著者の記事一覧)
- 交通コメンテーター
- 評価
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4
- デザイン
- 5
- 走行性能
- 4
- 乗り心地
- 5
- 積載性
- 3
- 燃費
- 4
- 価格
- 3
セダンの王道をいくスタイルと独自のパワートレーン
2024.1.29
- 年式
- 2023年11月〜モデル
- 総評
- 2.5Lハイブリッド+4速ATのマルチステージハイブリッドと、燃料電池システムを搭載するFCEVの2本立て。両パワートレーンともに、滑らかな乗り味が最大の特徴だ。それもちょっとやそっとのレベルではなく、700台で購入できる車両ではナンバーワンに位置するほど。とくにFCEVモデルはお抱え運転者付きのショーファードリブンとしても迎え入れられる出来映えだ。セダンこそ、新生クラウンの代名詞だと思う。
- 満足している点
- 乗り味のなめらかさ。静粛性。新たに縦置き2.5Lエンジンと組み合わせたマルチステージハイブリッドの秘めたる能力。これらが最大の武器だ。FCEVであるMIRAIのプラットフォームを活用していることから、一見すると単なる派生モデルのように思える。しかし実際は、クラウンとしてさらに静粛性を高めるために各部に手を入れている。オーディオマニアに支持されるよう、専用システムも開発して標準装備とした。
- 不満な点
- 高い性能があるにも関わらず、それが前面に打ち出されていないことだ。4つのボディバリエーションを誇る新生クラウンながら、総力が分散してしまったのか、セダンボディのアピールが弱い。もっとも法人需要を見越しての策なのかもしれないが、与えられた性能はパーソナルユースとしても支持される内容が盛りだくさんなので惜しい。また、せっかく新開発したマルチステージハイブリッドのアピールも弱い。乗ると良いだけに残念。
- デザイン
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5
- 正直に告白すると、画像で確認した際には、とってつけたようなデザインだな、と感じていた。しかし、実車を見てその考えが180度変わった。グッと心に刺さるデザインだったからだ。シャープな面構成はグラマラスな外観を持つスポーツと真逆の世界。これを同世代のクラウンとして名乗ること自体、すごい英断だなと思う。正統派セダンの凛とした世界観は、ぜひ実車で確認いただいた上で評価いただきたい。そんな一台だ。
- 走行性能
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4
- FCEVの走行性能は極めてフツーだ。パワーの源であるFCスタックは128kW(174ps)。そこでの電力を受ける電動駆動モーターは134kW(182ps)/300Nm(30.6kgf・m)。これで約2tのボディを走らせる。不足はまったくないけれど、楽しさが感じられるかといえばノーだ。マルチステージハイブリッドへの期待を込めて4点としたが、真価は未知数。市街地、高速道路、山道など走り込んで確定したい。
- 乗り心地
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5
- 後席での乗り味がすばらしい。「リヤコンフォート」モードがその立役者だ。ドライブモードセレクトで任意に選択できるセットアップで、出力特性/電子制御サスの減衰力特性を後席の乗員向けに味付けした。路面の大きな凹凸路を通過してもフラットな乗り味を保ち、曲率のきついカーブを走らせても横揺れを感じにくくする。その効果は絶大で、エアサスペンションのような滑らかさを電制御オイルダンパーで実現している。
- 積載性
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3
- 9.5インチゴルフバッグであれば、FCEVで2つ、マルチステージハイブリッドでは3つ収納できる。ボディサイズからすると小さめだが、足の出し入れだけでトランクリッドの開閉ができるハンズフリーパワートランクリッドがあるので、利便性は高い。車内にはグローブボックス、オーバーヘッドコンソール、左右両開きタイプのセンターコンソールボックス、運転席・助手席にシートバックポケットなど各所に収納部が用意されている。
- 燃費
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4
- FCEVの航続距離として、1充填あたり約820kmがトヨタから参考値として示された。WLTC値では約148km/kgで70MPaで充填する水素タンクの容量は141Lだ。マルチステージハイブリッドはWLTC値が18.0km/Lと先代のセダンよりも2.0km/L劣るが、現行型はボディが大型化し車両重量も2020kgと大幅に重くなっていることが要因だ。THS-Ⅱ+4ATによりWLTC値との乖離も少ない。これも利点。
- 価格
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3
- マルチステージハイブリッドが730で、FCEVモデルが830。しかし、FCEVモデルでは補助金が100程度交付されると(地域によって異なる)、マルチステージハイブリッドとの差はほとんどなくなる。自宅そばにFCステーション(水素の充填スポット)があるのならばFCEVモデルをおすすめしたい。乗り味はFCEVモデルが断然優れている。静粛性も当然、100%電動駆動のFCEVが有利だ。
- 西村 直人
- 交通コメンテーター
- WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。
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- 新車価格(税込)
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730.0 〜 830.0
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- 中古車本体価格
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