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- 新型はガソリンモデルもアリ
トヨタ ヴォクシー 「新型はガソリンモデルもアリ」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。
- 西川 昇吾(著者の記事一覧)
- 自動車ジャーナリスト
- 評価
-
5
- デザイン
- 3
- 走行性能
- 5
- 乗り心地
- 5
- 積載性
- 4
- 燃費
- 3
- 価格
- 3
新型はガソリンモデルもアリ
2022.11.21
- 年式
- 2022年1月〜モデル
- 総評
- 約8年のモデルライフを過ごした先代は、終盤にはライバルの進化もあり古さが隠せない状況となっていた。そんな苦境に登場した現行型は、想像以上の進化を遂げてきた。装備面はもちろん、走る、曲がる、止まるの全てが良くなり、ミニバンとは思えない走行性能と乗り心地を実現している。ガソリンエンジンモデルの進化もとても喜ばしいポイント。価格が少し高いのはウィークポイントと言えるが、今このミドルクラスミニバンを購入するならば、ベストチョイスと言えるのではないだろうか。
- 満足している点
- 走行性能と乗り心地はこのクラスのミニバンとしてはトップレベルに進化したと言えるほどで、この点は本当にミニバンとは思えない素晴らしさがある。更に良い点を付け加えて言うならば視界の広さだ。運転席からの眺めはかなり開放感があり、実際にその景色を見ると驚かされる。視界も良好なためボディサイズが大きくなったことによる懸念はは全くない。また、ハイブリッドに目が行くかもしれないが、進化したガソリンエンジンモデルも注目してほしい。ミニバンを検討している人は是非とも実車に見て、触れて、そして乗っていただきたい。その出来には驚かされると思う。
- 不満な点
- 価格がウィークポイントと言える。ミドルクラスのミニバン、ガソリン車で350が見えてくるという価格設定は懸念材料と感じてしまうユーザーもいるはずだ。同じ金額感でハイブリッドが買えてしまうライバルもいる。しかし、その金額を出す意味があるほどの性能は有しているとは思う。また、ハイブリッドの存在というのもガソリン車からすれば欠点だろう。ガソリン車1台だけで見れば全然満足のいく仕上がりなのだが、燃費と価格差、そしてリセールバリューの良さを考えると「もう少し予算を追加してハイブリッド…」という気持ちになってしまうところだ。悩ましい。
- デザイン
-
3
- フロントマスクが大幅に攻撃的なデザインになったのが今回のフルモデルチェンジで印象深いポイントと言える。全体的なシルエットはミニバンなので他のライバルとさして変わらないのだが、このフロントマスクをどう取るかでヴォクシーのデザインの評価はかなり分かれるだろう。個人的にはやりすぎだと思うが、そんな人のためにはノアが用意されており、「ヴォクシーはこれで良いのだ」となってしまう。もう少し取っ付きやすいデザインをベースにして、グレードによって異なるというパターンでも良いと思う。
- 走行性能
-
5
- これは姉妹車のノアにもいえることなのだが、ミニバンだからと侮るなかれ、実際に乗って見るとビックリする。「TNGA(トヨタ ニュー グローバル アーキテクチャー:トヨタ最新の車両設計思想)」を採用したことにより剛性が高まり、全高を感じさせないハンドリングと直進安定性を見せる。しかし、先代からの進化で驚かされたのがパワーユニットだ。ハイブリッドとガソリンというラインアップは同じだが、ガソリンは大幅に進化した。低速域からの加速でもトルクの細さは感じないし、ガサツな印象もなくスムーズにフケあがる。正直ガソリンでも不満を感じることはない。ガソリンも選択肢として大いにアリになった。
- 乗り心地
-
5
- 乗り心地は現行モデルになってとても良くなった。先代も悪くはなかったが、現行型を味わってしまうともう戻れないというのが素直な感想だ。ボディ剛性が上がったのが乗り心地に最も良い影響を与えている印象だ。不快な振動や騒音も入ってこないし、振動の収束も良い。路面からの入力が伝わってくる印象も滑らかで、アルファードと肩を並べるレベルかと思ってしまうほど。乗り心地に関して言えば、ほんの気持ちではあるが、軽量な分ハイブリッドよりもガソリンの方が良いと感じる。
- 積載性
-
4
- このクラスの積載性は姉妹車のノアを含めて激戦区と言える。ライバルに比べて抜きに出ているわけではないが、その中でも十分な積載性を誇っていると言えるだろう。このクラスのミニバンを検討しているという人ならば、積載性に大きな不満が出ることはないはずだ。それよりもラゲッジスペースの注目ポイントは「大容量の床下収納」と、「3列目シートの跳ね上げが簡単」なところだ。この点はミニバンの中でもトップクラスに優れていると感じる。この利便性は購入を考える上で大きいポイントと言える。
- 燃費
-
3
- ハイブリッドと比較すると燃費性能が劣ってしまうのは仕方がない。ハイブリッドとの本体価格の差は約35〜40。そして燃費性能はハイブリッドがWLTCモードで23.0㎞/L、ガソリンが15.0㎞/Lとなっている。価格差と燃費差をどんなバランスと考えるかは正直難しいところだが、この価格差ならば下取りも考えるとハイブリッドの方がオススメと言えるだろう。しかし、ガソリンの燃費性能も、車重が重たいこのクラスのガソリン車として考えれば決して悪くはない。
- 価格
-
3
- ベースの車両の設定価格自体はさほど高いとは感じないが、各種セットオプションが高いという印象だ。これはノアも同じような印象だが、一般ユーザーが購入を考えるならば上級グレードが中心となってくるが、そこにナビゲーションシステムや運転支援システムに関するパッケージオプションを選択するとガソリン車でも350を優に超えてくる価格になる。ただ、ノアに比べて法人需要が少ないヴォクシーは上級グレードが中心となった展開と価格設定でも良いのだろう。
- 西川 昇吾
- 自動車ジャーナリスト
- 1997年生まれ、大学時代から自動車ライターとしての活動をスタート。現在はWEB・紙の各種媒体で様々なジャンルの記事を執筆するほか、車両解説動画にも出演し、喋りの分野にも挑戦中。愛車のマツダ・ロードスターで定期的にサーキット走行をし、ドラテクの鍛錬も忘れない、目指すは「書けて、喋れて、走れるモータージャーナリスト」
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- 新車価格(税込)
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