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アルファードはトヨタのLLクラスミニバン。

アルファード登場までトヨタはエスティマをミニバンのフラッグシップモデルとし、それより大きなクラスはキャブオーバーのハイエースに任せていた。
1997年、日産がキャラバンエルグランド＆ホーミーエルグランドを発売しLLクラスミニバンに参入すると、トヨタは1999年にハイエースのコンポーネントを使ったグランビア＆グランドハイエース＆ツーリングハイエース＆レジアス＆グランドハイエースで対抗。
しかし本格的な乗用専用設計であるエルグランドに対して貨物系シャーシを用いたハイエース派生車種は販売台数で苦戦を強いられた。
2002年、エルグランドに徹底対抗をするためエスティマにエルグランドのような角ばった背の高いボディを載せ、それに合わせて床を高く取ったアルファードを発売した。
発売日を二代目エルグランドの翌日にぶつけて来たことからもトヨタの本気が伺える。

初代のアルファードは正確には車名は「アルファードV」と「アルファードG」の二つがある。これらは販売店の違い（Gがトヨペット店、Vがネッツ店）と外観の小さな差異（主にフロントグリル）によるもので、特に大きな違いはない。
ライバルの二代目エルグランドがV6専用車（当初は3500ccのみ）であったのに対し、アルファードにはベースのエスティマと同様、1MZ-FE型のV6 3000ccと2AZ-FE型の2400cc 直4をラインナップし価格競争力を持たせた。
またエルグランドのクリーンでモダンなインテリアに対し、アルファードは広い面積のウッドパネルを採用し、外装も押し出しを重視する等、ユーザーのニーズにマッチした高い商品力を持った車となった。

2003年、アルファードにハイブリッドが追加される。このクラスの大きな車体で10・15モード燃費で17.2km/lは画期的である。このクラスでは比較的燃費が良いこともあり、中古車市場でも安定した人気がある。
アルファードハイブリッドには2AZ-FXE型2400cc 直4が搭載されアトキンソンサイクルにより出力は131ps、前後にモーターのついた4WDとなっている。
このアルファードハイブリッドに積まれたハイブリッドシステムはTHS-Cと呼ばれ、電気式ではなくベルト式のCVTが組み合わされる独特のものになっている。
ガソリン車のトランスミッションは当初は4AT（スーパーインテリジェントオートマチック）で、V6 3000ccの1MZ-FEモデルのみ2005年のマイナーチェンジ以降は5ATにアップグレードされている。

初代アルファードをベースとしトヨタモデリスタインターナショナルが架装したロイヤルラウンジという特別仕様車がある。
シートを二列のみとする代わりに後席の快適性を追求したモデルで、稀に中古車市場にも出回るが非常に珍しく値段も高い。

アルファードが2400ccを設定したことにより価格のみならず燃費、税制面でエルグランドに対して優位な販売を続けていたため、エルグランドにもV6 3500ccに追加してV6 2500ccが設定された。
エルグランドの「モダンインテリア」を指向したシンプルなデザインに比べアルファードでは分かりやすい豪華さと押し出しの強いフロントマスクでこのクラスでベストセラーとなった。

2008年、アルファードハイブリッド廃止。トヨタのミニバンのハイブリッドモデルはこの後暫くはエスティマハイブリッドのみとなる。

2008年、アルファードは初めてのフルモデルチェンジを受ける。この代から兄弟車のヴェルファイアが設定されることになる。
アルファードとヴェルファイアの差異点は主に内外装の違いで、より押し出しを強めたヴェルファイアに対して、アルファードは比較的クリーンですっきりとしたフロントマスクが持ち味である。
このフルモデルチェンジでは同世代のエスティマのシャーシをベースとしており、従来よりも低床・低重心化。さらなる走行安定性を獲得している。

エンジンは2GR-FE型の3500cc V6 DOHCと、2AZ-FE型の2400cc 直4の二種類でモデルチェンジ当初はハイブリッドモデルは設定されていなかった。
2400ccのエンジンは基本的に先代のキャリーオーバーであったが、従来の4ATに代わりCVT(Super CVT-i)が組み合わされた。これにより燃費性能と動力性能、走りのスムーズさが改善されている。
また加速力の必要でない場合に積極的に低回転を維持する等の電子制御スロットルとの高度な統合制御を行うことにより、燃費性能と静粛性を追求している。
CVTながら擬似的な変速段を演出することによって、手動変速も可能にした7速スポーツシーケンシャルシフトマチック機構も採用されている。

3500ccのエンジンはトヨタの標準的なV6エンジンで、基本設計はレクサスのIS、GS等やトヨタブランドのクラウン等に設定されたものと共通である。
1.5ボックスの短いノーズに収めるためや、横置きレイアウトによる給排気系のスペースの制約等により、また直噴化はされていないことから出力は280psに留まった。（縦置き直噴の2GR-FSE型は315ps）
総重量の重いロングホイールベースのFFレイアウトによりトラクションに制約があるためにあえて抑えているという推測も出来る。
しかしいかに重いとはいえ大排気量から生み出される大トルクは圧倒的に余裕があり、メーターを振り切る程の巡航性能を持つ。
3500ccモデルには6AT(6 Super ECT)が組み合わされ、マニュアルモードによる変速も可能。（6速シーケンシャルシフトマチック）
従来の3000ccモデルに比べ段数を増やしたことにより、各ギアのギア比を近接させスムーズな加速を実現していながら、全体でワイドなギア比を構成することで高速燃費性能や静粛性にも寄与している。

2011年、マイナーチェンジで先代に設定されていたハイブリッドが復活。
二代目アルファードのハイブリッドは先代のTHS-Cからプリウスや後のアクア等と同様のTHS-IIになった。
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