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- モデル末期ではなく完成形と呼びたい一台
マツダ ロードスター 「モデル末期ではなく完成形と呼びたい一台」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。
- 西村 直人(著者の記事一覧)
- 交通コメンテーター
- 評価
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5
- デザイン
- 5
- 走行性能
- 5
- 乗り心地
- 3
- 積載性
- 5
- 燃費
- 5
- 価格
- 5
モデル末期ではなく完成形と呼びたい一台
2024.2.28
- 年式
- 2015年5月〜モデル
- 総評
- ギネスブックにも販売記録が掲載されるオープンカー。現行モデルは4代目で2015年に登場。その後、改良が進められてきたが2023年秋に大幅な変更が加えられた。大きくは、電子プラットフォーム、走行性能の向上、質感の向上だ。電子プラットフォームはセキュリティ対策の一環として法規で求められた内容。走行性能ではアシンメトリックLSDを装備して、不安定な車両姿勢になりがちな減速旋回時に減速力を制御して安定方向へと導く。
- 満足している点
- 軽さはスポーツカーの命だから、そこは死守。その上で走行性能を左右するパーツには剛性が出せる設計を施して、世界中のクルマ好きに胸を張れるオープンスポーツカーとして育てた。最新モデルは乗り味にも深みを加えた。たとえば電動パワーステアリングの容量をアップさせ制御ロジックも進化。これによりステアリングの分解能が高まり、微少な掌の動きにもじんわり反応してくれるようになった。ソフトトップの手動開閉時間は相変わらず世界一だ。
- 不満な点
- 7年半、NDロードスターの初期型に乗っていた筆者だが、正直、不満らしい不満はなかった。ソフトトップにしても雨漏りはないし、エンジンノイズや風切り音にしてもドライバーにとってはナイスサウンドだった。強いて挙げるならソフトトップを閉めていた際に、各所からコキコキと小さな異音(というか擦れ音)が発生していたくらいか……。駐車時に気になるのがソフトトップへのいたずらだが、これはロードスターに限ったことではない。ともかく不満の少ない一台だ。
- デザイン
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5
- どの角度から見ても美しいと感じる。ソフトトップを開けても閉めても絵になるのがロードスターだ。左右のドア上部にはボディカラーと同一のトリムが彩りを加え、さらにトリムの前方消失点とボンネットの左右稜線を重ねた。だから運転していて車幅感覚がいつでも掴みやすい。これぞまさに機能美の世界だ。インテリアも耐候性を考慮した上で、質感を高めた。とくに最新モデルでは各部スイッチ類のデザインも見直され、その上で操作感も向上させている。
- 走行性能
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5
- タイム計測など数値の上では速さを感じない。が、体感加速は速い。それは音や振動などはもとより、躍度と呼ばれる「連続する加速度」の設計を緻密に行ったからだ。どの速度域でも、どのギヤ段でもアクセル操作を行ってから0.3秒程度の間を置いてグッと加速が始まる。だからどんな状況で運転していてもクルマとの一体感がある。それは減速方向も同じ。最新型では減速しながらの旋回時に車両挙動を安定させるアシンメトリックLSDを採用した。
- 乗り心地
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3
- スポーツカーでオープンモデル、そして軽量ボディで乗り味を作り込んでいくのは難しい。しかし、ロードスターの振動特性はスッと身体に馴染みやすい。ボディの揺れを鉛直(_上下)方向に集約しているので運転中の目線がぶれにくいからだ。さらにカーブ走行時に内側後輪のブレーキ圧をほんの少しだけ(失速しない程度に)かけてヒーブ(浮き上がり)を抑制する。これらによって小さいけれど、安定した走りと乗り味が実感できるのだ。
- 積載性
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5
- 筆者は愛車時代、何度もロードスターで長距離取材に出かけていた。たしかな積載性能があったからだ。美しい外観からはなかなか想像できないが、ラゲッジルームには機内持ち込みサイズのトランクが縦/横どちらにも2個積めて、さらに左右にはハンドバックが入る。さすがに車内は狭いし、グローブボックスもなかったが、じつは左右席の間にはティッシュボックスが2つ+αが入るスペースがあり、左右席の背もたれ後ろにも収納スペースが確保されている。
- 燃費
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5
- 7年半の生涯燃費数値は当時モデルのカタログ記載WLTC値である17.2km/Lとほぼ同等だった。平均車速20km/h以下の渋滞路であっても12km/Lを割ることはなかったし、高速道路を淡々と80km/hで走らせれば25km/L以上の値は誰でも出せた。最新モデルは出力アップとともに中速域を中心にトルクが向上しているのでさらに燃費数値は向上しているはずだ。駆け抜ける歓びとともに、駆け抜けた後のエコロジカルな一面も考え抜かれていた。
- 価格
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5
- 289で世界的に名声の高いオープンスポーツカーが手に入る。これは素晴らしいことだ。最新モデルでは衝突被害軽減ブレーキ義務化の法規に対応させつつ、ACC(アダプティブクルーズコントロール)などの運転支援技術も手に入れた。目に見える部分は大きく手を加えてないから、登場から9年が経過した今でも、初期モデルとの差は最小限。こうした設計陣の配慮が世界中に熱烈なファンを生み続ける理由なのだろう。まさしく、お値段以上!
- 西村 直人
- 交通コメンテーター
- WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。
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- 新車価格(税込)
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289.9 〜 368.0
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- 中古車本体価格
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25.0 〜 528.0
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