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- 唯一無二を目指した軽スーパーハイトワゴン
三菱 デリカミニ 「唯一無二を目指した軽スーパーハイトワゴン」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。
- 西村 直人(著者の記事一覧)
- 交通コメンテーター
- 評価
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4
- デザイン
- 5
- 走行性能
- 4
- 乗り心地
- 4
- 積載性
- 5
- 燃費
- 3
- 価格
- 3
唯一無二を目指した軽スーパーハイトワゴン
2023.8.14
- 年式
- 2023年5月〜モデル
- 総評
- 車高を高くしたスーパーハイトワゴンと呼ばれるカテゴリーに誕生した軽自動車のSUVモデル。スズキ「スペーシアギア」、ダイハツ「タントファンクロス」など強力なライバル車がいる中、本格的な悪路での走破性能を持たせて差別化を図った。三菱といえばクロカンミニバン「デリカD:5」が大人気だが、こちらは優れた4WD性能+走破性能の高さが人気の秘密。このお膳立てをスーパーハイトワゴンクラスに採り入れたのがデリカミニだ。
- 満足している点
- 走破性能の高さだ。それも悪路だけでなく、舗装路での乗り味も格段にいい。なかでも4WDモデルは、装着タイヤのサイズを大きくした(165/60R16)ことと、それに合わせてダンパーの減衰力を専用に変更(前後とも高めに設定)したことで、路面の追従性能が高く上質な乗り味になった。肝心の悪路では、タイヤのエアボリュームが増えたことで大きめの石が転がる砂利道でも不快な振動を身体に伝えてこない。開発陣曰く「D:5らしさを演出」とのことだが偽りなし。
- 不満な点
- 実用燃費数値が若干低い点に不満を覚えた。4WDのターボモデルの場合、ライバル車と比較して10%程度、カタログのWLTC値が低い。実際に街中、高速道路と走らせてみると10〜15%程度、悪化することが確認できた。ただし、これには理由がある。優れた走行性能を引き出すため、後輪に常に駆動力が掛かるよう前輪/後輪のデフギヤ比率を調整しているからだ。燃費数値の悪化は、高い走破性能との引き換えでもある。
- デザイン
-
5
- 兄貴分であるデリカD:5のイメージを色濃くし、そこに軽自動車ならではの軽快感を組み合わせた。デリカD:2は標準/カスタムともにオンロード寄りのスタイルだが、デリカミニはD:5直系デザイン。アイコン的な可愛らしさや道具としてのタフネスの両面でバランスを図った三菱らしい上手いデザインだ。内装はベースとなったeKクロススペース(生産終了)に準じているが、各所の色使いや素材を変更しアウトドアユースでの利便性を高めている。
- 走行性能
-
4
- 「4WD/ターボモデル」「悪路での走破性能」と条件をしぼっていくと5点満点。専用の前後トルク配分を持つフルタイム4WDに加えて、直径の大きい16インチタイヤの走破性能は軽ワゴンNo.1だ。ラダーフレーム構造を持つスズキ「ジムニー」は別格としてもデリカミニのオン/オフ問わない滑らかな走りは、実際に多くのドライバー層から支持されている。発売直後の販売データは4WDが58%で、ターボモデルが70%を占めていた。
- 乗り心地
-
4
- 4WD/ターボモデルの乗り味はオールマイティだ。オンロードでの市街地走行は登録車的な動き。軽快感はないが、その分、しっとりとした乗り味が堪能できる。全高がかさむ(1830mm)ためカーブではグラッと車体が揺れるのではとの懸念もあるが、スローなステアリングギヤ比に合わせてじんわり切り込んでいけば安定感は保たれたまま。高速道路で横風を受けても専用のダンパー減衰特性によりフラつかない。マイパイロットとの相性もいい。
- 積載性
-
5
- 絶対的な積載量は軽自動車であるためライバル車とそう大きく変わらないが、小物の収納スペースが数多く使い勝手がいい。ラゲッジルームも地上からフロアまでの高さが620mm(FFは590mm)と見た目よりも低いので重い荷物も楽に収納できる。T Premium、G Premiumグレードには、樹脂ラゲッジボード&PVC後席シートバックを採用しているので、濡れていたり、汚れていたりする荷物も気にせず収納可能だ。
- 燃費
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3
- 不満な点で述べた通り、4WD/ターボモデルの実用燃費数値が低い。理由があるにせよ、この数値が気になるユーザーにはお勧めしない。ただ、個人的にはライバル車に対して10%程度、燃費数値で負けていても、乗り味/悪路での走破性能は30%以上高いと感じられるし、なによりどんな走行シーンであっても競合するライバル車では感じられないゆとりがある。しかも条件が悪くなるほどデリカミニの特性が光る。燃費数値とのトレードオフとして納得できるか否か。ここがポイント。
- 価格
-
3
- トップグレードは207万4600〜。4WD/ターボモデルのライバル車と比較してカタログ上の価格差はざっと11〜14万程度に。確かに高いが、せっかく欲しい装備が用意されているのなら、ちょっと背伸びして選択しようという声も多いようだ。販売直後はトップグレードが65%の販売比率を誇ったが、それは今でも同じ傾向だという。ちなみにボトムグレード(FF/NAモデル)は180万4000〜となり、ライバル車との価格差は縮まる。
- 西村 直人
- 交通コメンテーター
- WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。
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- 新車価格(税込)
-
180.4 〜 223.9
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- 中古車本体価格
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161.0 〜 348.0
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